『あたしもそう思うよ。気が合うね』

彼女のそんな独り言のような呟きに、なにがだよ?と思いながらもう一度グラスの水をあおる。

ガシャン。

『ちょっと、大丈夫?』


倒れたグラスを直す彼女の腕をグイッと引っ張った。

ストッキングから透けたオレンジ色のペディキュアがライトを反射して一瞬目眩がした。


『大丈夫じゃない』


だから――

ねぇ――…

その色で、つかの間の時間を彩ってよ。


今夜はその色で――…