(最悪だ)


「そんな迷惑そうな顔してますけど。この際はっきり言わせて貰えば、アナタですから」


「なにが?」



「あたしの生活領域に土足で踏み込んできたのはジローの方ですから」


「…そりゃ申し訳ないことで」



「あたし、一応優等生で通ってるんで――」



「優等生、ねぇ…。エセだよね?メッキだよね?」


なんて俺の嫌味にぴくりとも反応せずに彼女は今日も追い打ち攻撃。



「誰にも言わないで下さいね?あの日の事も、バイトの事も。ま、担任もチクッたところであたしとアナタどっちを信じるって言われたら、あたしでしょうけど。『顔だけ男』だし」


だから。追い打ち攻撃が必要かどうか見極めろってんだ、コラ。


「……言うわけねェだろうが。興味ねぇもん、エセ優等生なんか。なめんなよ」



「そうですか。それなら良かったです」



高校生の容姿の彼女がもろ優等生気取った顔で俺を見ていた。