「もしもしタロー?」


『あれ、ジローちゃん?どーした?珍しいじゃん、電話かけてくるなんて。あぁ!高校生妊娠させちゃった?でき婚かぁ。今どきそれもいいかもね――』


「……絵の梱包解いたぞ」


『へぇ。で、なんかいいことあった?』


「まーな」


『あ!いいことと言えば、俺がまた展覧会開くんだよね。

そん時に、今まで花なんて届けたことなかったけど、今回からは毎回でっかい花を贈ろうかな、とか思わねぇ?』


「思わねぇけど」


『思えよ』


タローは相変わらずだ。


『あ、それとも――』