翌日、白川と待ち合わせて病室に行くと、病室には品の良さげな中年の男性がパイプ椅子に座っていた。
立ち上がるとスラリとした長身が白川を思わせた。
その男性が白川の父親であるという事はこの状況下ではあまりにも明らかで、お互いに気まずそうに軽く頭を下げた。
白川さんの目には『なぜこの男が?』といった難色を示す色が映し出されている。
負けじと『真意はどこにあるのだろう』と彼を見返す俺。
そんな男二人の雰囲気なんてまるで気にしないのが白川だ。
「お父さん、ユカリさんは?」
「午前中は検査だそうだよ」
白川から俺に視線を移すと改めて白川さんは「この度は大変お世話になりました」と大人の挨拶をしてくれた。
そして俺が口を開くまえに、再び白川に視線を戻してしまう。
(あ、無視?俺の存在を無視?)
そんな事を思ったけれど、白川さんの第一声は誠実なものだった。
「アンナすまなかった」
隣でライトブラウンの瞳が揺れた。
「ずっと言わなきゃいけないって思ってたんだ」
「ユカリさんがママだってこと?」
違うよ、と首をふる。
立ち上がるとスラリとした長身が白川を思わせた。
その男性が白川の父親であるという事はこの状況下ではあまりにも明らかで、お互いに気まずそうに軽く頭を下げた。
白川さんの目には『なぜこの男が?』といった難色を示す色が映し出されている。
負けじと『真意はどこにあるのだろう』と彼を見返す俺。
そんな男二人の雰囲気なんてまるで気にしないのが白川だ。
「お父さん、ユカリさんは?」
「午前中は検査だそうだよ」
白川から俺に視線を移すと改めて白川さんは「この度は大変お世話になりました」と大人の挨拶をしてくれた。
そして俺が口を開くまえに、再び白川に視線を戻してしまう。
(あ、無視?俺の存在を無視?)
そんな事を思ったけれど、白川さんの第一声は誠実なものだった。
「アンナすまなかった」
隣でライトブラウンの瞳が揺れた。
「ずっと言わなきゃいけないって思ってたんだ」
「ユカリさんがママだってこと?」
違うよ、と首をふる。