「なんでだろ。ジローの顔見たら、照れくさくて言えかったんだもん」


そう呟く低い白川の声。


(“なんで”って言いたいのは俺の方なのに)


「…だって、昨日は誰かに甘えたかったんだもん。起きたくなかったんだもん」


「、」


「ジローだけは、あたしが素直じゃない事、百も承知でしょう?」


こんなピンクに染め上げた頬で、


不機嫌そうに、こんな事を言うなんて本当に反則だ。


「……素直じゃないってより、あまのじゃくだよね」


(…って俺もか)