(とりあえずはあとくされなさそうに見えるけど)


視界に嫌でも入ってくるスラッと伸びる陶器のような足にオレンジのペディキュア。


酔っていなくても酔いそうになるそれから目をそらす。


ケダモノと言われて。


(なんか、ペース乱されて疲れる)


絶対に年下であると確信している彼女は、苗字も知らないアンちゃん。


いくつなんだろう。二十歳は越えてるように感じるけれど。


大人びた雰囲気はあるけれど。


何も知らないけれど、俺がよく行く小料理屋に最近バイトで入るようになったアンちゃんだ。