酔っ払った修司に肩を貸し、帰り支度をしていた白川にタクシーを呼んでもらって、


ついでに「お前も送ってくから一緒に来い」とタクシーに乗った。


修司をマンションに送ってそのまま白川の家を回るという予定が、


結局修司が「気持ちワル……」とか言うおかげで運転手には散々嫌な顔をされ、結局マンションの1ブロック手前で下ろされてしまった。


「お前のせいでタクシー帰っちまったじゃねぇか!」


「だって気持ち悪いんだもん」


「『だもん』とか言うな。ほらッ!ちゃんと歩けって」


修司ともつれながら歩く俺の右隣を荷物を抱えて静かについてくる白川。


「送ってくって言ったのに悪いな」と声をかけると小さく首を振った。


『永井』と書かれた表札の下のチャイムを鳴らすとお腹の大きい香織が「はいは~い」とドアから覗く。


「あ……永井、先生?」


「……し、白川さん?」


絶句する白川と香織。


「まあ、そういう事だ。ってか香織、これなんとかして。重い、死ぬ」