少し目を伏せて、ちょっとすまなそうに。


でもつけこまれないように距離を感じさせるように掠れた声に


「……俺、もしかして――」(ヤッちゃった?)というニュアンスを含める。


答えは聞くまでもないのに。


「そういう風にくるわけね」


彼女はそう呟いてまっすぐに俺を見据えた。


「あたし、駅前で寝てたジローを拾って。送ってきただけのつもりだったんだけど」


「だよね?」


「感謝してもらいたいぐらいなんだけど」


「ですよね」


(体中がだるい)


クスリと笑う彼女をみて、どんなタイプなんだろうと様子を伺う。