法要をしてからお寺の近くの料亭で親戚一同で会食をして、その時勧められたのがビールと日本酒。


そんなに強くないのだから飲まなきゃいいのに。


夕べは、『久しぶりなんだから』なんて言われて勧められるがままにお酒を口にしてしまった。


酔った体で乗っただろう電車とか通った道とか、一番酔いのまわったそのあたりの記憶がとぎれとぎれであいまいだけど――


「ジロー昨日の事、覚えてる？」


「……わりィ……。俺、あんま記憶が――…」


「たいぶ酔ってたもんね」


ごめんね？


本当はほとんど覚えているのだけれど。


特に彼女を押し倒した頃の記憶はばっちりあるのだけれど。


正直に『覚えてます』なんて言う程おめでたくないんだ、俺。


さあ、面倒を終わらそう。一気に。