週末の「おう、暇だろ?ちょっと飲みにいかねェ?」なんて


そんな誘いに「いーけど」と乗ってしまったのは、紫苑が気になったから。


もしかしたら白川がそこにいるから。


あのさ、といつもの居酒屋に入ろうとする修司の肩をつかんだ。


「修司、今日はここじゃない店にしてよ。いつもここじゃん」


「え?俺、お前みたいに週末を彩る女の子探しとかしたくないんだけど?」


「そういう意味じゃないから。つーか最近はさっぱりだから」


「マジか?病気か?大丈夫か?」


「なんとなくムカつく、それ」


「あ、片思いとか?マジで!?」


(うるせ~)


「生き方あらためろとか言ったのはお前だろーが」



「そうだけどさ。否定しないって事は……本当に?恋か?なぁなぁ!」


妙にそこにくらいついて肩を組もうとする修司をかわし、数ブロック先の紫苑の暖簾をくぐった。