「はい、いやです」


「そんな即答しなくても………」



この人が何を考えてるのか………

そんなこと俺にもなんとなくわかってる


「俺の意図、睦月ならもう察しはついてるよね……

俺はさ、ただ君に楽しい生活を送ってほしいだけなんだ。
ここを一度出てしまったら、もう君に……いや、俺たちに残されるのは権力闘争とか家の発展とか、ドロドロしたものしかない。

だから、今だけなんだ」


智晶先輩は悲しそうに言った


……そんな俺のことなんか気にしなくたっていいのに…

なんで…なんでそんなに…


「……しょうがないですね、わかりましたよ」



俺は呟くように言った