「え、あー…。もしかして人違い?」

「そうじゃない?」


でもこの人、ミラって呼んだよね。



「霜月海來じゃねぇの?」


「…霜月…海來だけど」


「やっぱ海來だよな!俺のこと、忘れちゃった?」


「忘れたもなにも…知らないですから」



呼び止める雲井晴斗を振り切って走った。



知らない。
知らない。


あんな人…


だってあたし



記憶がないのに―…