晴斗のこと、沙妃のこと、怜夏のこと。



考えることが多すぎて、そのくせ考えても答えがわからなくて。



何も考えずに帰り道を1人で歩いていた。




前に見えたのは泣き顔の怜夏と、慰めるような絢だった。




怜夏はいつだってサバサバしてて、テンションだって高くて…


泣き顔なんてほとんど見たことがなかったから、慌てて駆け寄った。



「怜夏!?」




「海…來」



振り返った怜夏の濡れた瞳は、悲しそうにあたしを捉えた。