遊園地に行った日からしばらく経って、本格的に梅雨の季節。 教科書をパラパラめくりながら、窓から雨を見る。 ジメジメした空気に、雨の匂い。 この季節は嫌いじゃない。 「海來!」 斜め前に座っている怜夏が、小声で話しかけて来る。