「お大事に!」




そう言って嵐のように去っていった沙妃。





「意味わかんねー…」




真っ赤な顔をおさえながら、猫のミーたんを見る。




そして背中についている紙に気付いた。






《好きになっちゃった》




沙妃の丸文字で書かれている言葉。






「っ、え?」





急いで窓を開けると、帰り道を歩く沙妃の後ろ姿。






「沙妃!」




振り返った沙妃の笑顔に、俺も笑い返した。




治ったら、今度は本物にキスしてやる。



そんな事を思いながら、大好きな沙妃を見送った。