海來の家を出てすぐ乗った電車。 アナウンスが到着を伝え、電車を降りると風に乗って潮の匂い。 真っ青な空と同じく、碧い海。 「…懐かしいな」 引っ越して以来、来たことはなかった。 ずいぶん、周りの家も変わっている。 「あの海か?」 そう聞く絢に頷いて、海に向かった。 海に着くと、目に入ってくるのは碧の世界。 そして砂浜に座る、彼女だった。