「…来ると思ってたわ」




「はい。…海來さんは?」



冷静に聞く透河に、困ったような表情をした叔母さんは、俺達を家にあげてくれた。








「海來さん……いや、羽海さんはどこですか」




リビングに通したものの、何も話そうとしない叔母さんにしびれを切らした絢が聞く。



すると、叔母さんは動揺を見せた。




「…何のこと?」



「知ってるんですよ。全部」


「隠しても無駄です!」





溜め息をついた叔母さんは、



「違う親戚に預かってもらってるわ。私はもう、記憶の戻ったあの子を育てることはできない」





「…んだよ、それ…」