そうだ。


俺が今になって出逢ったのは、海來じゃない。



白い肌と、寂しそうな瞳の



羽海だったんだ。






何で…。


何で気づけなかった?




そっくりだったからって。



記憶が無いのに、嘘を付かせた。



俺のせいで、居場所を奪った。






「ごめん……」





海來は、真実を知っているんだろうか。




自分が海來ではなく、愛されない羽海だと知ったら…。





ショックとか、絶望とか。



そんな一言じゃ表せないんじゃないか。






彼女が1人で苦しんでいるんだとしたら……





助けたい、と思った。