「そうだな。それしかない」 そう言って立ち上がる絢を、俺が呼び止めた。 「ちょっと……考えたい」 真実だとわかっていても、信じたくない。 混乱している中で海來の家に行ったって、何か言える自信もない。 「そうだよ。叔母さんが簡単に教えてくれるとは思えないよ」 沙妃が言うと、絢も頷いて 「じゃあ、行くときはまた連絡して。とりあえず俺達は帰ろう」 と言って、うちを出た。