「何それ…」



「いきなり言われても、信じらんねーよ…」





「でも海來の記憶がないっていうのは、本当だよ」



怜夏が言うと、絢も





「海に行かせようとしなかった叔母さんは、海來の記憶が戻ってほしくなかったって事か…」



少し下を向いて続けた。




「もし羽海を海來として育ててるのなら、記憶は戻ってほしくないよな」






「でも、そんな事……」





反論しようとした沙妃も、“ない”とは言わなかった。





「もう、こうなったらさ…」




透河が口を開く。




「海來の叔母さんに直接聞くか」