「…海來はさ、もう少し我が儘でもいいんじゃねぇの?」 ベンチにあたしを座らせて、隣に座った透河が言う。 「何抱えてんのか知らないけどさ、甘えれば?」 「…」 「俺たちは、どんな海來でも好きだよ」 「っ…」 「だから、頼ってくれないのは辛い」 「……」 何も言えなかった。 ただ、涙だけが零れそうで。 「あたし…は……」 あのね、 これから言うのは、あたしが生きているうちで きっと最大の嘘です。