♪~♪~♪~




枕元で携帯のアラームが鳴り、目を覚ます。




「……はぁ…」




ため息をついてアラームを止め、ベッドを出た。



今日学校に行ったら、まず怜夏に言うんだ。

記憶のことは秘密にして、って。



放課後みんなで会うのは……、適当な理由をつけて断ればいい。




ノタノタと制服に着替え、一階に降りた。




「海來ちゃん、おはよう」


「…おはようございます」



「ご飯は?」


「…いらない、です」




「…そう。じゃあ、これ」


少し悲しそうな表情で、おばさんは千円札を三枚渡した。




「…ありがとうございます」




そのまま家を出た。



まだかなり早い時間。



浮かない気分とは裏腹の、真っ青な秋晴れ。




夏よりも高く感じる空に、もう一度ため息をついた。