「ごめんなさいね、海來ちゃん、具合が悪くて出られないのよ」
「そうですか……じゃあ、また来ます!」
「お大事にって、言っておいてください!」
みんなの声が、遠くに聞こえる。
そして窓の締め切っていたカーテンを開けると、帰って行くみんなの後ろ姿。
笑いながら喋るみんなに、また涙が溜まる。
晴斗をからかう、透河と沙妃。
それに笑ってツッコミを入れる、怜夏。
そんなみんなを、笑いながら見ている絢。
すべてが懐かしい。
戻りたいよ。
もう、きっと二度と会えない。
「っ……」
みんな、みんな。
大切な親友だった。