夕方、チャイムが5時を告げた。



どれくらい泣いたんだろう。


食欲がなくてご飯も食べてない。



窓を開けると、夕焼けに目が眩んだ。




「……大丈夫」




明日からは、元のあたしに戻るから。



ちゃんと学校に行って。

怜夏に“心配かけてごめん”って言って。


記憶の事は秘密にして、って言って。



普通に笑って。


部活をしてるみんなを見ながら、野球部のかけ声と吹奏楽部の練習を聞きながら。



まっすぐ家に帰るから。



晴斗達と、会う前みたいに。



大丈夫、大丈夫。


ちゃんと、笑えるはず。