「なんかさ、こうしてると」 沈黙を破ったのは晴斗だった。 「世界から2人で、切り離されたみたいだな」 その言葉に目を見張る。 同じ場所で。 同じ瞬間に。 同じものを見て。 同じ事を考えた。 「そう、だね…」 あぁ、本当に このまま2人、切り離されてくれたらいいのに。 この瞬間が、ずっと続けばいいのに。 同じ事を考えた奇跡。 あたしが晴斗と一緒にいるためには、あと幾つの奇跡を重ねればいいんだろう。