どれくらい泣いたかわからない。
ただ、目の前にあるのが絶望だと思った。
そしてハッとして時計を見ると、短針は8を指していた。
「海來ちゃん、ご飯置いておいたから食べなさい。おばさん、ちょっと出かけてくるから」
玄関まで来たおばさんから、泣きはらした目を隠して頷いた。
ずっと背を向けていると、ドアが閉まる音がした。
携帯を取り出すと、晴斗からの5件の着信と1通のメール。
メールを開くと、
《大丈夫?何かあった?》
何でそんなに優しいの?
あたし、約束破ったのに…。
頭が混乱して、どうしていいのか全くわからなくて……。
晴斗からのメールを見てまた涙が零れた。
そうしているうちに、警告音が鳴り携帯の充電が切れ、画面が真っ暗になった。
それだけなのに、晴斗との繋がりが切れてしまったような気がして……。
晴斗の笑顔を思い出して、携帯を握り締めた。