「記憶が戻った海來ちゃんを、私はまだ受け入れられない…」 受け入れられない…? 「探るようなことをしたら、出て行ってもらうわよ」 冷たく言い放ったおばさんは、背を向けてリビングに戻って行った。 なぜか泣きそうな表情をしていた。 震えている膝が、ガクッと崩れ落ちる。 焦げ茶色のフローリングを、あたしの涙が濡らした。 「っ……何で…」 何で、何で、何で、何で…。 あたしの過去に、何があったの?