「あ、もう月が出てる」
「わ、超キレイ!」
いつもと何も変わらない時間。
晴斗と出会ったのとは別の、小さな公園でいつものメンバーで話す。
いつもと違うのは、少しだけ日が落ちるのが早くて風が涼しくなってきたこと。
晴斗の足も無事に完治し、サッカーができるようになったらしい。
「そろそろ帰るか」
透河の言葉に、少し寂しくなるけど頷いた。
「…一緒に帰んない?」
隣にいた晴斗が、不意に口を開いた。
「、え?」
あたしに言ったのかな?
でも違ったら恥ずかしい。
そう思って周りを見回したら、晴斗は笑いながら
「ハハッ、海來だよ」
って言った。
「え…、でもあたし達の家って逆……」
“逆方向”と言おうとしたら、送る、って言われた。
「あ…うん、いい、よ」
「ヒュー♪」
「良かったね~、ハルくん♪」
みんなにからかわれて少し赤くなっている晴斗。
それが嬉しかったりするあたしは、本気で晴斗に惹かれてるんだなぁ、なんて思った。