「え、あー…。もしかして人違い?」



「そうじゃない?」



言われてみればそうかもしれない。



俺の記憶の中の海來は、もっと優しそうな顔だった気がする。



可愛い系か美人系かで言ったら、可愛い雰囲気をもった子だった。




だけど目の前にいる彼女は、少し猫目で、キツめの美人というイメージだ。



…じゃあ何で海來だって思ったんだろう。



雰囲気も、表情も違うのに。




だけど俺の記憶と、どこかかぶるんだ。



どこか……。




「霜月海來じゃねぇの?」





「…霜月…海來だけど」