「海來…」
「ん?」
優しい笑顔。
あぁ、こんなの…。
晴斗が海來に惹かれるのは、必然。
「海來がライバルで……良かった…」
本当はライバルなんかじゃないのかもしれない。
あたしなんか、海來にはかなわないのかもしれない。
だけど散々ライバルって言ってきて、今更友達なんて言うのは照れくさいから。
あたしの負けはもう見えているから。
精一杯の強がりで、ライバル。
海來は自分の事は全然話さないけど…。
なんとなく、わかる。
あたしたちは、似てる。
同じような経験があるんだ、きっと。
海來も辛かったのかな?
傷ついたのかな?
あたしもその時、そばにいたかったな。
真っ青な空を海來と見上げながら、そんな事を考えていた。