晴斗が好き。
一緒にいるうちに気付いたその気持ちは、ストンとあたしの胸に落ちた。
正直、うまく行く気がしてた。
晴斗と一番近いのはあたしだと思ってた。
晴斗はいつか振り向いてくれるって思ってた。
だけど…。
いつも通りの帰り道で現れたのは、晴斗の傘を持った女の子。
可愛いよりは美人で、だけど赤くなった顔は可愛い。
すぐにわかった。
その子は特別なんだって。
あたしがずっと欲しかった晴斗の心を、一瞬で奪ってしまったんだね。
悔しい、虚しい。
それ以上に、切ない。
あたしの方が、絶対晴斗を大好きなのに……。