廊下に寄りかかって、声も出さずにただ泣いていた。 いつもチャラチャラしてて、笑ってて。 そんな絢の、ホントの表情な気がした。 ゆっくりと頬を伝う涙はとても綺麗で…。 月の光に照らされた絢の表情は、すごく切なげだった。 声もかけられなくて、トイレにも行かずに部屋に戻った。 見ているこっちまで泣きたくなるような絢の泣き顔。 いったい絢は何を抱えているんだろう? 考えたって、わかるはずもなかった。