…それでも絢には絢の事情があるのかもしれない。



あたしだって問い詰められたら困るわけだし…。




だから無理やり聞き出したり、他の人に聞いたりするのはやめよう。



しかも、みんな知らなそうな上に絢も話してはくれないだろうし。




そう思って、絢が話してくるまで何も聞かない。


そう晴斗と決めた。



だけどその日の夜。




トイレに起きたあたしは、廊下を見てそうもいかなくなった。




絢が、泣いていたから……。