｢言う資格？…俺はそんなのただの自己満足だと思うよ｣
意外な言葉に顔を上げると、いつものヘラヘラした絢じゃなくて、どこか悲しそうな顔をしていた。
｢あや…？｣
不思議そうに聞くあたしに、またいつもの笑顔に戻った絢。
だけどそれは何かを誤魔化すみたいに寂しそうな笑顔。
｢後悔だけは、しないようにね｣
視線を落として言う絢が、何かを抱えてる事だけはわかった。
あたしも同じだから。
何があったの？
絢の悩みなんて想像できない。
いつもいつもヘラヘラしてるんだよ？
だけど前から…
絢はどこか皆と一線をひいていて、ホントの気持ちとかは隠してる気がしてた。
