「行かなくていいの?」




晴斗が行ってしまって空いたあたしの隣に座ったのは、絢。



絢の香水は、いつも違う香りな気がする。



いつも甘ったるい女物っぽい香りだけど、今日は珍しく爽やかな香り。




「この爽やかな匂いがこれほど似合わない人って、いないと思う」




ポツリと呟くと、いつも通りヘラヘラ笑いながら



「酷いなぁ、これが本来の俺の香水よ?」



なんて言う。



この香り、初めて嗅いだ気がするけど。