「おばさん、今度友達と海に行ってもいい?」
あたしは海に行ったことはないし、プールにも入ったことがないけど、おばさんなら頷いてくれると思っていた。
だけどおばさんの反応は予想とはかなり違っていた。
「だめよ…海はダメ」
「え?何で…」
聞きかけた瞬間、おばさんは持っていたコップを机に叩きつけた。
ガシャンという音に一瞬目を瞑って、恐る恐る机の上を見ると割れたコップの破片が飛び散り、コップに入っていた麦茶が机に広がっていた。
何が起きたのかよくわからない。
ただ、おばさんは怒っている。
それだけはわかった。