話している間は、ただ楽しかった。



他のことなんか考える暇はないくらいに、楽しかった。



こんなに笑ったことなんて、今まであったのかな。



あたしの記憶がある中では“楽しい”って感じたことすらなかった気がする。




そして辺りが暗くなると少し切なくなって。



「そろそろ帰ろっか」




って言葉に寂しくなる。



叶うなら、ずっとこのままでいたい。



絢と話して頬を赤く染める怜夏も。


ふざける晴斗に冷たいツッコミを入れる透河も。

そんな2人を見て笑う沙妃も。



何一つ変わらないで欲しかった。