沙妃が、転がっていた石を軽く蹴って口を開いた。




「あたしね、女子にハブられてたの」



沙妃の口から出て来たのは意外な言葉だった。



「人の彼氏取ったとか言われて、さ」



地面に向けていた視線を、沙妃に戻す。



あたしにも同じような経験があった。



クラスのリーダー格の女の子の好きな人が、あたしを好きになってしまったらしく、そのグループに陰口も言われたし変な噂も流された。




だけど元から怜夏以外の友達がいなかったあたしは、特に何も感じなかったけど。