「……め」
「ん…」
「おい、姫」
薄っすらと目を開けると陸の顔がドアップであった。
「ーー!?」
いつの間にか寝てしまったみたいで、焦って体を起こした。
「お前…オレが居んのになに寝てんだよ」
相変わらず不機嫌な顔の陸。
だって、陸がそんなんだから……
「オレのせいにすんのか?」
ーーー!?
顔に出てた!?
私の心の中は、どうやら陸にはお見通しみたいだ。
部屋に飾ってある時計にチラッと視線を移せば、15時を過ぎていた。
「……寝すぎた」
「お前いい度胸だよな?」
「え…」
スッと立ち上がったと思えば
切れ長の目で私を見下ろしてくる。
何ともゾッとするこの雰囲気……