結局朝行っただけで帰って来ちゃった……


気付けば二年前から一人暮らしをしているマンションに帰ってきてしまった私は鞄から鍵を取り出し玄関を開けた。


ーーー!!?


なんで……


「姫?」


自分の目を疑いたくなる。


「陸……?」


玄関の音に気付いた陸の声と、確かにある陸の靴。


え…今何時だっけ?

そもそも今日約束なんて……


自分の腕についている時計を見ればまだお昼を回っていない。

こんな昼間に陸が居るなんて初めてのことで、夢か幻かとさえ思ってしまう。


それを確かめたくて急いで靴を脱ぎリビングに行けば、そこには確かに陸がいた。


「何してるの?」


テレビを見ながら白いソファーに座ってくつろいでいる陸。


「いや、見たまんまだろ」

「……ふざけないでよ。彼女は?」


当たり前のような顔をする陸が何を考えているのか分からない。

いつも会うのは決まって夜で
私からは連絡できなくて

そう、陸はいつも突然だ。