終業のチャイムが聞こえると同時に
私は教室を飛び出した。
あれ以上優夜に何か言われれば
この鉄仮面は完全に崩れてた。
今だに耳に残る優夜の言葉。
1人になりたくて図書室の個別部屋に逃げ込むのは、大学に入って何度目だろう。
ダメだと分かっていてもやめられない。
離れなきゃと思っていても離れられない。
そうやって何度考えても
結局はまた振り出しに戻る。
好きだから仕方ない……
それを思い知るのに、この二年間はじゅうぶんすぎるくらいだった。
傷ついても、虚しくても
離れられない理由があるかぎり
この関係を終わらせることなんてできない。
じゅうぶん身に沁みてる……
優夜の顔を見たくなくて
私はそれ以降の講義を休んだ。