「あれ〜?姫乃一人?」


教室に行くと
優夜が一番後ろの席に座ってた。


「陸なら帰ったよ」


「え〜なんで?」


「さぁ」



泣き止むまでに
時間はかからなかった。


あたしが泣き止むと
陸は帰ると言って去って行った。


あたしを抱きしめる優しい陸

でも、泣き止むとすぐに去って行った
冷たい陸



陸が行った場所はきっと――




「彼女のとこだろ」


いつの間にか、あたしの後ろに剛が居た。

あたしが分かっていながら
言葉にしないでせっかく流したのに


あたしは、剛を睨んだ。



「姫乃こえーよ!」


「うるさい」


陸がいない時にどこにいるかなんて
今更のこと…


「姫乃、オレの隣おいで」

ボーッとしていると優夜が笑顔で手招きしてきた。

チャライ…

私は渋々優夜の隣に座った。