指定駅に着くと「アレ?健人、君…」由衣は中年男性と里緒菜に扮した
健人がトイレへと消えて行く光景を目にした。
健人は男子トイレに人気が無いのを確認すると
痴漢に手招きし、そそくさとトイレに入る。
そして向かい合うと健人はぎこちないながら、
自分が思う妖艶な笑みを浮かべる。
「ねえ、オジサン…。
目、つぶって?」
痴漢は期待に胸を躍らせながら鼻息荒く、目を
瞑った。
「足、開いて?」
もはや操り人形だ、言われた通りに足を開く。
健人は息を吐くと、足を目一杯に引く。
「はあああー!
セイヤー!」
今までとは真逆、低い声で叫ぶと、痴漢の股の間を電光石火の如く足が通り抜け的確に股間を蹴り上げた。
「つ…あ…くっう…」
痴漢は声にならない声を上げ、顔は一瞬にして
青ざめ脂汗が額に浮かび出す。
もしアニメでこの光景が描かれたのであれば痴漢の股間を蹴りあげられた瞬間に眼球飛び出す描写がふさわしいだろう、とゆう位に痴漢は目を見開いている。