痴漢が怖いから女性専用車両がある。
「え?健人君、こっちに乗らないの?」
由衣さんは女性専用車両へと迷わず進むが俺は
ちょっと気が引ける。
今の姿が女の子であっても心は男だ、さすがに
乗るのは躊躇う。
「俺は…ホラ、ね…」
躊躇う理由、みなまで
言う必要はない。
「でも危ないよ?今の
健人君どこから見ても
里緒菜ちゃんだもん」
由衣さんは心配そうに
気を使ってくれるが
もし俺が痴漢に遭遇し
撃退してやれば犯罪者を1人減らしてやった事になる、正義のヒーローを気取るつもりはないけど犯罪を見逃すつもりも
毛頭無い。
「気を付けてね?」
由衣さんは最後まで心配しながら女性専用車両に乗る、たとえ遭遇しても怪我や命の危険にさらされる心配はない、だが
精神的ダメージは計り知れないだろう。