時は流れ、平安の世。

大地には沢山の妖怪が現れるようになっていました。
二匹の神様たちが住んでいる土地も例外でなく、近くの山の洞窟に妖怪が住み着くようになりました。

それも困った事に、畑を荒らしたり、人間をさらって食べてしまったりする、悪い妖怪でした。


ある日、その土地の人間たちは妖怪退治に行くことにしました。

二匹の神様も何か役に立てればと、一緒に行くことにしました。

土地の力自慢の男たち、不思議な力を持った女たち、そして、攻めと守りの神様。

戦いは苦しく、厳しいものになりましたが、なんとか妖怪たちを退治し、洞窟に封印する事ができました。


しかし力を使いすぎた神様は弱りはて、ついには肉体を失ってしまいました。

嘆き悲しんだ土地の人間たちは、かつて二匹が住んでいた住処に大きく立派な社を建て、土地一番の力を持った女を巫女として使えさせ、二匹を守り神として奉る事にしました。

それからの長い歴史の中、土地は兎神町と名を変え、社は兎宮神社となりましたが、兎神町の人々は二匹を奉り続け、神様は今も町を守り続けているということです――。