――兎神町に古くからある兎宮神社。

そこは遥か昔、この大地にまだ神様が住んでいた頃、二匹の兎の神様の住処でした。

攻めと守り、対の神様は仲睦まじく、日々をそれはそれは楽しく過ごしていました。


二匹は神様なので歳をとらず、死ぬ事もありません。
ですから、人間がこの世に誕生してもなお、地上で楽しい日々を過ごしていました。


ある時、人間たちが二匹の住処にやってきました。

人間たちはこの周辺の土地に住むために、許可を取りにやってきたのでした。

律儀な人間たちの姿勢に心を打たれた二匹は、快く人間たちの申し出を許しました。


それから長い間、人間たちと二匹は仲良く、平和に暮しました。