「それに、繭を初めて抱いてから、他の女を抱く気になれなかった。」
本当に?
ねぇこれ、夢?
私が都合のいいように変えちゃってるだけ?
「…繭は俺のこと好きなのかなぁとか思ってた。」
なんだ。
予想だったのか。
「っていうか、そうだったらいいなーって。」
そういうと、微かに抱き締める力が強くなった。
「そう思ってたけど、そう思う理由なんて考えたことなかったんだ。
…そんなの、好きだからしかない。」
さっきから聞こえてくる言葉が彼のものとは思えない。
…本当に朔弥が、言ってるんだよね?
今もまだ信じられない。