冬の夜は寒い。 冷たい風が吹き抜ける。 だけど、朔弥の体温が伝わってくるから少し温かい。 「繭がいなくなったら嫌だ。お願い、傍にいて。」 「どういう意味…」 「俺、繭のこと好きみたい。」 朔弥が、私を? 嘘だ。 今までだってそうだった。 期待させておいて、 最後には結局突き放す。 「嘘でしょ…?」 「本当に。なぁ、俺のこと好きじゃなくてもいいから。」 今、朔弥はどんな表情をしているんだろう。 いつも無表情な朔弥は。