母は、父が単身赴任で家にいないという事から、自分がしっかりしなくてはという気持ちが強く、小さい時から恐かった。
私は小さい時、少食でご飯が食べれなかったのだが、母はお残し厳禁なので、食べるまで席を立つ事を許さなかった。母は食べれるのに嫌いだから食べないと思っていたようだが、確かに嫌いな物も食べなかったが、本当にお腹がいっぱいだった。
そのうち、悪知恵が働くようになり、牛乳をキッチンに流し、嫌いな物は口に詰め、トイレに駆け込み捨てるようになった。
そんなある日事件が起きた。
その日の朝食は忘れもしない、黒糖パン2つに牛乳だ。
私は朝から気分が悪く、食べれなかったが、母が許すわけもなく、幼稚園の時間も近づきイライラしていた。私は怒られたくないので、パンを無理やり口に押し入れ食べた。気持ち悪い。
その日は幼稚園の演奏会だった。バスで移動しなくてはいけないのだが、気持ち悪さがバスの揺れに勝てるはずもなく、バスの中で吐いた。
家から離れている為、母が迎えにもこれず、胃酸臭いまま演奏をし、幼稚園に帰った。母がいた。
私は母に
「私嘘ついてなかったでしょ?謝って?」と言った。
母は「ごめんね。」と、謝ってくれた。
この時の事はよく覚えている。