「レン!!来て!!」
友人のミネだった。
彼女は血相を変え、レンを連れて
どこかに行ってしまった。
俺達もミネを追った。

「クイナ…!!」
その先に居たのは、レンさんの恋人で
あるクイナだった。様子がおかしい。
生気の無いような顔をして、レンさんを
見た。すると体が光り始めた。

「あたしも…きたみたい」
クイナは微笑むが、目が笑えていなかった。
「クイナ…っ」
アイカが寄り添うが、光は離れない。
自分の運命が分かったかのように、クイナは
アイカの頭を撫でて「ありがとう」と言った。

レンさんは声が出ないのか、
ただ立ち尽くしているだけだ。

「レン……ごめんね」
クイナはそのままレンさんに抱きついた。
レンさんは震える手でクイナを抱きしめて、
涙を流していた。やがてクイナを包んだ
光が、眩しさを増していく。

「…クイナ、愛してるよ」

レンさんがクイナを抱きしめる腕に力を
入れると、白く輝いてクイナは消えた。
ただ綿毛のようなものだけが、パラパラ舞う。

ミネは泣いていた。

「またかよ…っ何なんだよ!」

俺は目の前でおきたことが信じられず
つい叫んでしまった。
この世界の人間は、いきなり光に
身を包まれ消えてしまう。
それがいつ来るか分からない。